没ネタサルベージ。
梓は、盛大に珈琲を噴出した。げふごふ、と気管に入った液体をなんとかしようと咳き込む。噴出す原因となった彼が慌てて背中をさすってくれ、どうにか落ち着いてきた。しかし、今度は脳内で先ほどの信じられない言葉がリフレインする。
「…もっかい、言ってもらっていいかな?」
「はい。…セックス、する雰囲気に持っていくにはどうしたらいいですか」
光、君の口からそれが飛び出すとは思いもしなかったよ。幼少の彼を知っている梓は、知らず知らず額を手で覆った。
幸いにも、書類などは全て片付けてあり、机の上にぶちまけられた飲み物を簡単に処理することができた。不幸中の幸いだろう。
「なんで、俺を相談相手にしたの?」
「梓さんなら、いろんなこと知ってるかなって思って」
素直に期待を乗せた表情で、光はそう言った。そういった相談ができるような親しい相手が他に見つからなかったのもひとつの要因だろう。池田は、自身の恋愛に不器用さを発揮しており、虎島の頭は爬虫類に埋め尽くされている。志藤に至っては、恋愛感情がわかっているのかも怪しい。消去法か。零れかけた溜息を閉じ込めつつ、教え子を見やる。
どこにでもいそうな平凡な容姿。唯一の特徴といえば、そのサングラスと白杖か。同じ平凡組みと認識されている梓に聞きたいと思ったのかもしれなかった。
「…あと、ほら。梓さんって引く手あまたの奥さんを射止めたじゃないですか」
「なるほど? 平凡が美人と子供もうけてるからこそ気になるわけだ」
あけすけな物言いに羞恥で頬を染める光。セックスという単語は、勢いで言ったようだ。
R18に持っていこうとして悩んだものの一部。梓より塚本の方が適任だよな、と後から気づいて没です。
背景は、あれです。大河と光です。大河の髪型が逆でした^q^
コメントを書く...
Comments